ある事件を、4人の主人公の視点で探っていくAVG。
AVGと言っても、テキストで物語を語ることは無く、全てキャラの演技で語られる。
ゲームならではの角度から、様々な感情を刺激するゲーム。
★主人公とプレイヤーの一体感
主人公をダイレクトに操作して3D空間を動き回れるし、デモシーンもただ見てるだけではなく、QTEのボタン入力に対してレスポンス良くアクションが変化していく。
なので常に主人公との一体感、物語への没入感がある。
また、主人公のアクションとボタンの入力方法がバッチリ噛み合ってる。
主人公が力を入れて物を持ち上げるシーンは、プレイヤーの操作も力を入れなきゃいけない入力方法になるし、ドアをそっと開けるシーンでは、プレイヤーの操作も繊細さを問われる入力方法になる。
こういう仕組みによって、一体感や没入感はさらに高まってる。
例えば、赤ん坊をあやすシーンでは本当に自分があやしてるような気分になる。結果赤ん坊が笑ってくれたときは、ゲームではこれまで味わったことのない感動があった。
アクションシーンも、自分が映画のヒーローになりきった感覚があり、大いに気持ちよくなれる。
また、主人公とプレイヤーの心情をスムーズに噛み合わせる事の出来るBGMは、没入感重視のこのゲームでは特に重要な要素だったんだろう。音楽の出来にはかなり注力してる。
★リアリティ
ゲームのシステムからゲーム的な体裁を取っ払い、現実をトレースしてる。
脈絡のないモーションやHUDの排除。主人公が死んでも進行する物語。プレイヤーの行動に応じた、物語の有機的な変化。物語のリアルタイム性。などなど。
それらによってゲームプレイが、より生々しいものになってる。
おかげで、何度か遭遇する究極の二択を迫られるシーンなどは、本気で戦慄する。痺れた。
映画でも小説でもそうだけど、フィクションで人の心が動かそうとする時、リアリティはどこかしらで必要になってくると思う。
そしてこのヘビーレインは、見た目や人物造形のリアルさだけではなく、ゲームでしか表現出来ないリアリティも駆使して、映画等とは別の次元で物語体験を真に迫らせてる。
★他
物語の内容は、悪くないと思う。人物の演技に不自然さはないし、序盤以降は引きも強い。
とは言え、感動の人間ドラマや本格ミステリーを期待すると、物足りなさが残るかもしれない。
つかみの弱さや、周回プレイの億劫さ、バグの多さなども、気にする人は気にすると思う。
また、分岐が多くEDも複数あるけど、それらに多彩な物語展開を楽しませようとする意図はあまり感じられない。物語の芯からは逸脱し過ぎない作りになってる。
あくまでもゲームプレイにリアリティを出すための仕様なんじゃないかと思う。
★まとめ
ゲームの双方向性と、次世代機の表現力が、存分に活用されてると思う。
没入感と臨場感によって、物語へより強く感情移入させてる。
AVGの可能性を力強く示した良作。
次世代機ゲームならではの物語体験を堪能出来る。






