Perpetuum げーむじん

GAME POTATO は
ゲーマーによるゲーマーのための
ゲームレビューサイトです

[ やっぱり良い出来 ]

2010年02月07日 19:26
Nintendods
ドラゴンクエストVI 幻の大地
スクウェア・エニックス
RPG
2010年01月28日発売 5,980円[税込]
レビュアー評価

■開発:ArtePiazza
  プロデューサー:藤本則義(スクウェア・エニックス)
  ディレクター:杉村幸子(ArtePiazza)
  シナリオ/ゲームデザイン:堀井雄二
  音楽:すぎやまこういち
  アートディレクター:眞島真太郎(ArtePiazza)
  キャラクターデザイン:鳥山明
■初回特典
  モンスターバトルロード用レジェンドヒーローカード「バーバラ」
[ セーブデータ数:3 ]
[ すれちがい通信対応 ]

国民的RPGシリーズ「ドラゴンクエスト」第6弾、「幻の大地」がニンテンドーDSで15年ぶりに復活。
2つに別れた世界を巡り、魔王の野望を打ち砕け!

DS天空3部作としては、「DQ4」、「5」に続き3作目。
過去2作品と違ってリメイクされるのは初めてなのだが、見た目が大きく変わっていないせいもあってか、今ひとつ新鮮さに欠けてしまっているのが寂しい。
決して見た目の変化が重要なシリーズではないが、あまりに変わり映えしないのも物足りないものである。
4、5をプレイしていない人には関係ない話だろうが。

さて、「6」と言えば、「ドラクエ3」で好評だった転職システムの復活と、豊富な特技が魅力となっている。
といっても、転職してもレベルはリセットされず、戦闘を回数こなすことでランクが上がっていき、その職業独自の特技を習得できるという仕組みである。
様式こそ違うが、「ファイナルファンタジー5」のジョブシステムを意識して取り入れたものだろう。

これが「6」最大の特徴であり、曲者でもある。
 
職業システム自体は非常に面白いものだと思うし、様々な特技を少しずつ収集していく楽しみもある。
問題は、これらの特技が優秀すぎる点にある。

終盤でようやく習得できるような呪文クラスの特技が、マジックポイント(MP)消費なしで撃ち放題なのだ。
これでは緊張感も、それに伴う駆け引きも何もない。
ただただ、決められたコマンドを入力するだけの、単純作業の連続になってしまう。
そんな戦闘が面白いはずもなく、特技が出揃う終盤ほど作業感ばかりが先行してしまい、楽しくない。
こちらのパワープレイにはパワープレイでお返しと、雑魚モンスターからも容赦ない攻撃が飛んでくるため、ますます行動が限られてしまう。これは良くない。 

それは制作サイドも分かっているのだろう。
DS版では、かなり細かい調整が施されているが、それでも、根本的な解決に至っているとは言い難い。

更に悪いことに、戦闘メニューレイアウトに関しては、残念ながらオリジナル版より劣化してしまっている。
特技だけでも相当な種類があるというのに、それが呪文と同じウインドウに放り込んである。
しかも、オリジナル版は穴埋め方式が採用してあるのに、このDS版では適当に羅列してあるだけなので、新しい特技を覚えるたびに技の配置が変わったり、同じ特技でもキャラクターによって位置が違うなど、技の検索が非常に煩わしい。
これでは駄目だ。

そうは言っても、バランス自体はうまく調整されている。
オリジナル版で目立っていた理不尽な展開は少なくなり、適度に緊張感のある絶妙な塩梅になっていると思う。
やたら不遇な扱いだったテリーの初期能力も改善された。

特筆すべき変更点は、仲間モンスターシステムの廃止。
ダーマ神殿で「魔物使い」を選択、ランクを上げることで、「ドラクエ5」のようにモンスターを仲間に出来たのだが、本作ではバッサリと切り落とされている。
変わりに、ホイミスライムやスライムナイトなど、スライム系の一部モンスターを仲間にできるイベントが、ゲーム中に散りばめられることになった。
仲間にする条件は様々だが、この変更は面白いものと思う。

オリジナル版そのままのリメイクを望んでいた人からの不満の声も多く聞かれた、今回のシステム変更だが、個人的には英断かなと思う。
特にこの「6」は、過去のドラクエ作品と比較しても、かなり煩雑な部類だと感じていて、中でも、この仲間モンスターシステムは中途半端さが拭えず、あまり存在意義の感じられないものだったので、スリム化のために削るとすれば、ここがベストだろう。
やり方こそ変わったが、仲間モンスターを集めるという楽しみが無くなったわけではないし、落とし所としても丁度いいところではないかと思う。

ただ、「魔物使い」は「魔物マスター」に変わっているが、どうせなら、全く別の新しい職業にしても良かったかな。

「ドラクエ3」を意識しているのは転職システムだけではない。本作で掲げられたテーマは「発見」である。
途中までは一本道だが、あるタイミングから行動範囲が広がり、広大なワールドマップを自由に移動できるようになる。
もちろん、シナリオを解く順番もプレイヤー任意であり、イベントを探してマップを移動している間に、見知らぬ町や祠が発見できるという構造になっている。
行動エリアも地上から大海原、海底までと幅広い。

一方で、目的地を明確にしない手法が苦手なユーザーに向け、ヒントをあからさまにしてみたり、会話システムを使うことで、しっかりプレイヤーを誘導するような試みも垣間見える。
いずれも積極的に情報を集める姿勢で臨まなければ、あまり効果を発揮しない手法であるのが残念ではあるが、こういった配慮を忘れない心が、「ドラゴンクエスト」を国民的RPGたらしめている要因ではないかと思う。

そして何より、「仲間会話システム」というのは面白い。

ただ、重要な会話を記憶しておける「おもいだす」の機能まで、バッサリ無くなっているのは、ちょっと寂しく感じた。
これを利用した謎解きダンジョンなんかもあったりするので、多少、無理をしてでも残して欲しかった。

---[ 総評 ]---

・・・・さて、ここまで長々と書いてしまったが、個人的に「ドラゴンクエスト6」というゲームは、過去の作品と比べてクセの強いタイトルだと思っている。
なので、その辺が今回のリメイクにおいて、どこまで矯正されるものか楽しみにしていたのだが、結論としては、かなり遊びやすく改良されていると思う。

オリジナルの要素を100%再現できなかった点について、不満を覚えるユーザーの声も理解できるところではあるが、リメイクというものは、新たに触れる人たちに向けて、より遊びやすくすることの方が大切だと、僕は思う。
そういう意味で、今回のリメイクは成功例だろう。

もちろん新規と古参、両方のユーザーを満足させるのが理想であることは言うまでもないが、ハードスペック等、様々な制約の中でバランスを取る必要性に迫られる中で、再現度よりプレイアビリティを重要視する姿勢は、実に堀井雄二らしい舵取りだなぁと思う。

必ずしも改善された点ばかりではないのが残念だが、なんだかんだ言って、ドラクエのリメイクは質が高い。

抜群の安定株。やっぱり「ドラクエ」は面白い。
KAY.Sak
レビュアー : KAY.Sak
好きなジャンル : RPG AVG 経営

★マークの数は基本的に適当。
オススメできると感じたものには7つ以上をつけてますが、
別のゲームとの比較差で多かったり少なかったり。
まぁ、あくまで目安ってことで。

このソフトウェアをレビューしたレビュアー