「僕を巻き込むなよ!」
銀髪の少年ホープがライトニングに向けて叫ぶ。
彼の怒りはもっともなのかもしれない。
彼は、偶然旅行に来ていただけだ。そして偶然、あの街に居ただけだ。
それなのに世界を揺るがす事態の首謀者となってしまった。
彼の怒りは収まらない。
身体に刻まれた忌むべき刻印を抑えながら、言葉を続ける。
「アンタ達が勝手なことをするから、ルシにまでされてしまった。
もうコクーンには居られない。コクーンの皆から敵と認識されてしまった。
これから……これから、どうするんだよ!」
涙ながらの訴えに対し、ライトニングは眉ひとつ動かさずに答えた。
それはホープにとって予想だにしない解答だった。
「聖府と戦う」
あまりにも理解し難い答。
それ故に、言葉を発するのが一瞬遅れてしまったが
何とか平静を取り戻したホープは、コクーンの住民ならば誰しもが思うであろう言葉を述べる。
「出来るわけないだろ!たった数人で一つの国相手にどうやって戦うんだよ!」
もうそんな言葉は聞き飽きた、とばかりに
ため息をつきながら目線を逸らすライトニング。
そして、諭すようにゆっくりと告げた。
「”出来る”とか”出来ない”はどうでもいい。大事なのは”やる”か”やらない”かだ」
ホープの反論を待たずして、ライトニングは言葉を紡いだ。
逸らしていた目線を戻し、彼の瞳を見つめながら一言だけ。
「違うか?」
ライトニングの言葉は、ホープにとっては”反論出来ない”という言葉に過ぎなかった。
ゆえに、彼らが知るはずも無かったのだ。
この言葉が彼を成長させ、ライトニング達の支えになることを。
世界に訪れている危機を救うきっかけになるということを。
そして、新しいファイナルファンタジーの幕が開けたことも。
---【 飛躍的に高められた映像クオリティ 】---
「FFはムービーゲーだ」
あまり良い意味で使われてはいないが、しばしば耳にする言葉である。
ゲームプレイ時間に対し、映像シーンが流れる時間が長くなることに不満が生まれ、
言われ続けている言葉なのは間違いないが、忘れてはならないことがある。
FFが見せる映像美が素晴らしいからこそ、言われている言葉でもあるということだ。
シリーズを重ねるごとに、映像のクオリティを高めていったFFは
PS3というプラットフォームと出会い、更なる飛躍を遂げることに成功した。
初めてHD機での登場となった本作は、”映画のような”という段階は既に超越してしまった。
大画面でプレイすることを前提におくが
”限りなく映画に近い”や”映画そのもの”といった表現がシックリくる。
また、クオリティが高められたのはムービーシーンに限ったことではなく、
フィールドを歩く、メニュー画面を開く、といった全ての場面において高いクオリティを維持している。
ムービーシーンとその他の場面における差が小さく感じられるような作りになっており
一つの映画を見ているような感覚に陥ってしまう。
FFに映像美を求めているプレイヤーも多いと思うが
その期待に十分応えてくれる作品に仕上がっているのは間違いない。
---【 自由度が低い物語。導入部分にもう少し配慮が必要か 】---
本作の物語を一言で言うと、それが良い、悪いは置いておくとして
”一本道”という単語に集約される。
物語の内容を考えると、「前の場所に戻る」という行為が出来ないのは理解出切るのだが
街で会話をする、買い物をするといった行動さえも削られてしまっているため
一本道さに拍車がかかっており、賛否両論が激しくなる部分であると予想される。
フィールドを歩く、映像を見る、フィールドを歩くという繰り返しで
物語を見せようという強い気持ちが伝わってくる作り。
物語が楽しめるのであれば、特に不満を感じることもなく、
むしろ物語を邪魔しない作りに好意的な印象を持つ可能性も十分ある。
それだけに、物語導入部分はもう少し入り込みやすく作るべきだったのではないか。
本作だけで使用される言葉が非常に多く羅列され、内容を理解し易い作りであるとは言えない。
「この言葉、何だろう?」とプレイヤーの注意を引くために、
一つ二つの言葉が用意されるのならば良いが、ここまで多いと、その効果は望めない。
プレイヤーの理解を助けるために「語句の説明」などが用意されているが、
結局は後から理解することになってしまい、のめりこむ前にお話は次へと進んでしまう。
登場人物達だけが納得し、”置いてきぼり感”を感じてしまうプレイヤーもいるのではないだろうか。
物語を見せよう、という作りになっているのであるから
その導入部分には細心の注意を払うに越したことはないはずだ。
徐々に盛り上がりを見せていく物語を楽しめただけに、導入部分の配慮が足りなかったことが残念だ。
---【 スピーディーな展開が与える爽快感。これぞアクティブタイムバトル 】---
本作の戦闘は、FFおなじみの戦闘方式であるATB(アクティブタイムバトル)の進化形。
従来のATBは、リアルタイムで行動ゲージが上昇し、
ゲージがMAXまで溜まった時に行動出来るといったものであったが
本作では、ゲージがいくつかの行動ポイントに分かれるという仕様になっている。
行動ごとに行動ポイントが割り当てられ、行動ポイントを満たすゲージが溜まっていれば
MAXまで溜まっていなくても行動出来る。
行動ポイントの小さなものを短時間で連発してもよし、MAXまで溜めてから行動しても良しと
プレイヤーの意思が反映しやすくなっていることと
非常にスピーディーな展開が実現出来ることが、大きな特徴としてあげられる。
仲間の大まかな行動を指定する「オプティマ」と呼ばれる新要素は、
戦闘中にいつでも変更可能であり、本作で実現したスピーディーな戦闘に良く合っていて面白い。
進化したATBという看板に偽りはなし。
総じて難易度は高いが、戦闘でやられてしまっても直前からリスタート出来る仕様。
言うなれば「初見の敵はやられて覚えろ」といった作りであるので
あまりゲームをプレイしない方にとっては、少々ハードルの高い戦闘であることは否めない。
しかし、そのハードルを乗り越えさえすれば
そこには新しい魅力の詰まった新しい戦闘が待っているのである。
---【 小さな不満を吹き飛ばす”圧倒的な映像美”と”爽快感抜群の戦闘” 】---
導入部分が弱いことや一本道さに拍車がかかっているが
キャラクターの成長をメインに徐々に盛り上がりを見せていく物語。
慣れるまでの閾値や難易度は高いものの、スピーディーで爽快感が抜群の戦闘。
万人に受けるソフトであるか問われると素直に首を縦に振ることは出来ないが
映像美、戦闘の爽快感など一度体験してみる価値は十分にあると思う。
加えて、ロード時間は極めて短い作りになっていてプレイしやすい。
プレイ開始時こそ十数秒の読み込みがあるものの、それ以外は2~3秒程でストレスは感じない。
メディアインストールを介さないPS3において、この快適さは大きな評価に値するはずだ。
本作に対する印象を簡単にではあるが述べさせて頂いた。
だから、大事なことは貴方自身に決めてもらおうと思う。
ここにある、ファイナルファンタジーと名の付く13番目の扉。
貴方は、この扉を開くという行動を選択することが出来る。
その行為を”やる”のか”やらない”のか。
あとは、貴方に任せようと思う。
[要点Check!]
オススメ度
★★★★★★★★☆☆
プレイ時間(目安)
クリアまでに50時間程度
ココが素晴らしい
・圧倒的な映像美
・スピーディーで爽快感が高い戦闘
・ロード時間の短さ
ココが気になった
・物語導入部分の配慮
・戦闘に関する閾値や難易度が高く、万人向けではない
コメント
個人的にはシリーズを通して、戦闘はトップクラスに面白い。
序盤でつまずく可能性もあるが、是非乗り越えて魅力を味わって欲しい。
FFお得意のムービーも圧巻の出来なので
PS3を持っているならば是非手に取ってみてほしいソフトの一つ。
銀髪の少年ホープがライトニングに向けて叫ぶ。
彼の怒りはもっともなのかもしれない。
彼は、偶然旅行に来ていただけだ。そして偶然、あの街に居ただけだ。
それなのに世界を揺るがす事態の首謀者となってしまった。
彼の怒りは収まらない。
身体に刻まれた忌むべき刻印を抑えながら、言葉を続ける。
「アンタ達が勝手なことをするから、ルシにまでされてしまった。
もうコクーンには居られない。コクーンの皆から敵と認識されてしまった。
これから……これから、どうするんだよ!」
涙ながらの訴えに対し、ライトニングは眉ひとつ動かさずに答えた。
それはホープにとって予想だにしない解答だった。
「聖府と戦う」
あまりにも理解し難い答。
それ故に、言葉を発するのが一瞬遅れてしまったが
何とか平静を取り戻したホープは、コクーンの住民ならば誰しもが思うであろう言葉を述べる。
「出来るわけないだろ!たった数人で一つの国相手にどうやって戦うんだよ!」
もうそんな言葉は聞き飽きた、とばかりに
ため息をつきながら目線を逸らすライトニング。
そして、諭すようにゆっくりと告げた。
「”出来る”とか”出来ない”はどうでもいい。大事なのは”やる”か”やらない”かだ」
ホープの反論を待たずして、ライトニングは言葉を紡いだ。
逸らしていた目線を戻し、彼の瞳を見つめながら一言だけ。
「違うか?」
ライトニングの言葉は、ホープにとっては”反論出来ない”という言葉に過ぎなかった。
ゆえに、彼らが知るはずも無かったのだ。
この言葉が彼を成長させ、ライトニング達の支えになることを。
世界に訪れている危機を救うきっかけになるということを。
そして、新しいファイナルファンタジーの幕が開けたことも。
---【 飛躍的に高められた映像クオリティ 】---
「FFはムービーゲーだ」
あまり良い意味で使われてはいないが、しばしば耳にする言葉である。
ゲームプレイ時間に対し、映像シーンが流れる時間が長くなることに不満が生まれ、
言われ続けている言葉なのは間違いないが、忘れてはならないことがある。
FFが見せる映像美が素晴らしいからこそ、言われている言葉でもあるということだ。
シリーズを重ねるごとに、映像のクオリティを高めていったFFは
PS3というプラットフォームと出会い、更なる飛躍を遂げることに成功した。
初めてHD機での登場となった本作は、”映画のような”という段階は既に超越してしまった。
大画面でプレイすることを前提におくが
”限りなく映画に近い”や”映画そのもの”といった表現がシックリくる。
また、クオリティが高められたのはムービーシーンに限ったことではなく、
フィールドを歩く、メニュー画面を開く、といった全ての場面において高いクオリティを維持している。
ムービーシーンとその他の場面における差が小さく感じられるような作りになっており
一つの映画を見ているような感覚に陥ってしまう。
FFに映像美を求めているプレイヤーも多いと思うが
その期待に十分応えてくれる作品に仕上がっているのは間違いない。
---【 自由度が低い物語。導入部分にもう少し配慮が必要か 】---
本作の物語を一言で言うと、それが良い、悪いは置いておくとして
”一本道”という単語に集約される。
物語の内容を考えると、「前の場所に戻る」という行為が出来ないのは理解出切るのだが
街で会話をする、買い物をするといった行動さえも削られてしまっているため
一本道さに拍車がかかっており、賛否両論が激しくなる部分であると予想される。
フィールドを歩く、映像を見る、フィールドを歩くという繰り返しで
物語を見せようという強い気持ちが伝わってくる作り。
物語が楽しめるのであれば、特に不満を感じることもなく、
むしろ物語を邪魔しない作りに好意的な印象を持つ可能性も十分ある。
それだけに、物語導入部分はもう少し入り込みやすく作るべきだったのではないか。
本作だけで使用される言葉が非常に多く羅列され、内容を理解し易い作りであるとは言えない。
「この言葉、何だろう?」とプレイヤーの注意を引くために、
一つ二つの言葉が用意されるのならば良いが、ここまで多いと、その効果は望めない。
プレイヤーの理解を助けるために「語句の説明」などが用意されているが、
結局は後から理解することになってしまい、のめりこむ前にお話は次へと進んでしまう。
登場人物達だけが納得し、”置いてきぼり感”を感じてしまうプレイヤーもいるのではないだろうか。
物語を見せよう、という作りになっているのであるから
その導入部分には細心の注意を払うに越したことはないはずだ。
徐々に盛り上がりを見せていく物語を楽しめただけに、導入部分の配慮が足りなかったことが残念だ。
---【 スピーディーな展開が与える爽快感。これぞアクティブタイムバトル 】---
本作の戦闘は、FFおなじみの戦闘方式であるATB(アクティブタイムバトル)の進化形。
従来のATBは、リアルタイムで行動ゲージが上昇し、
ゲージがMAXまで溜まった時に行動出来るといったものであったが
本作では、ゲージがいくつかの行動ポイントに分かれるという仕様になっている。
行動ごとに行動ポイントが割り当てられ、行動ポイントを満たすゲージが溜まっていれば
MAXまで溜まっていなくても行動出来る。
行動ポイントの小さなものを短時間で連発してもよし、MAXまで溜めてから行動しても良しと
プレイヤーの意思が反映しやすくなっていることと
非常にスピーディーな展開が実現出来ることが、大きな特徴としてあげられる。
仲間の大まかな行動を指定する「オプティマ」と呼ばれる新要素は、
戦闘中にいつでも変更可能であり、本作で実現したスピーディーな戦闘に良く合っていて面白い。
進化したATBという看板に偽りはなし。
総じて難易度は高いが、戦闘でやられてしまっても直前からリスタート出来る仕様。
言うなれば「初見の敵はやられて覚えろ」といった作りであるので
あまりゲームをプレイしない方にとっては、少々ハードルの高い戦闘であることは否めない。
しかし、そのハードルを乗り越えさえすれば
そこには新しい魅力の詰まった新しい戦闘が待っているのである。
---【 小さな不満を吹き飛ばす”圧倒的な映像美”と”爽快感抜群の戦闘” 】---
導入部分が弱いことや一本道さに拍車がかかっているが
キャラクターの成長をメインに徐々に盛り上がりを見せていく物語。
慣れるまでの閾値や難易度は高いものの、スピーディーで爽快感が抜群の戦闘。
万人に受けるソフトであるか問われると素直に首を縦に振ることは出来ないが
映像美、戦闘の爽快感など一度体験してみる価値は十分にあると思う。
加えて、ロード時間は極めて短い作りになっていてプレイしやすい。
プレイ開始時こそ十数秒の読み込みがあるものの、それ以外は2~3秒程でストレスは感じない。
メディアインストールを介さないPS3において、この快適さは大きな評価に値するはずだ。
本作に対する印象を簡単にではあるが述べさせて頂いた。
だから、大事なことは貴方自身に決めてもらおうと思う。
ここにある、ファイナルファンタジーと名の付く13番目の扉。
貴方は、この扉を開くという行動を選択することが出来る。
その行為を”やる”のか”やらない”のか。
あとは、貴方に任せようと思う。
[要点Check!]
オススメ度
★★★★★★★★☆☆
プレイ時間(目安)
クリアまでに50時間程度
ココが素晴らしい
・圧倒的な映像美
・スピーディーで爽快感が高い戦闘
・ロード時間の短さ
ココが気になった
・物語導入部分の配慮
・戦闘に関する閾値や難易度が高く、万人向けではない
コメント
個人的にはシリーズを通して、戦闘はトップクラスに面白い。
序盤でつまずく可能性もあるが、是非乗り越えて魅力を味わって欲しい。
FFお得意のムービーも圧巻の出来なので
PS3を持っているならば是非手に取ってみてほしいソフトの一つ。










ちょっと、好意的過ぎ・・・。
人を選ぶ部分が多い作品であるのは確かですね。
ただ、自分は楽しみながらプレイ出来ましたので
感じたことを素直に書かせて頂きました。
ちょっ…こんな頑張った褒め方で
「面白そう」とか思ってプレイしちゃった人にどう謝るんですか…
上のコメントにも書かせてもらいましたが
自分としては、特に頑張って褒めたつもりはなく
感じたことを書いているだけです。
あくまで個人としての意見ですので
参考程度にして頂ければと思っています。
確かに今までのFFとはまったく違うだろうし期待してたものでないのも確かだが、それをグッと堪えて一つの作品として見れば…
と、こういった中立な意見が見れるのがここのいい所じゃないかね
叩くだけのレビューより断然参考になる
というわけで、これからもちょくちょく見に来ます(`・ω・)b
自分の感想を述べたとはいえ、
やはり、参考になると言っていただけると非常に嬉しく思います。
これからも宜しくお願い致します。
感想は全然問題ありません。
問題はコメント欄の「PS3を持っているならば是非手に取ってみてほしいソフトの一つ。 」でしょう。
是非の言葉の意味は「あることの実現実行を強く希望する気持ちを表す。どうしても。是が非でも。」です。
>是非の言葉の意味
実際にそう思っている発言ですので、
仰っている意味に捉えてもらっても構いません。
後は、読者の方の判断にお任せ致します。