宇宙を股にかけた壮大な冒険が楽しめる(という触れ込みの)人気RPGシリーズ4作目。
今作はシリーズ初代作品より前の時代を舞台としている。
(その事情は前作を最後までプレイしてもらえば分かるかと。)
実は筆者は「スターオーシャン4」がXbox360の初プレイ作品だったのだが、
初のHD機ということで、フィールドのグラフィックの美しさには最初は惚れ惚れしてしまった。
前世代と比べても明らかに1段階上を行っている。HD機作品としてはこの程度は当然の
レベルだとは思うが、ついにこのレベルまでグラフィックは進化したかと思わされた。
ただ、フィールド・背景の美しさが際立つ分、キャラクターの人形っぽい造形にはやや違和感を
感じざるを得なかった。その上イラストと比べると同一人物とは思えないほど顔の雰囲気が
違っているキャラもいる。基本的に3DRPGなのだから、ゲーム中は3Dに統一すればよかった
のではないかという気もする。
さて、このシリーズの最大のウリといえばやはり戦闘である。
今作は複雑になりすぎた前作の反省からか、シリーズ初プレイの人でも十分ついていける
ほどのシンプルさに回帰している。とはいってももちろんシリーズファンを唸らせる要素
も入っている。
その一つがサイトアウトである。操作しているキャラを敵にターゲットされてしまった時に、
特定の操作をすると敵の背後に回りこみ、通常よりも遥かに高いダメージを与えられると
いうシステムである。馴れるまではなかなか難しいが、成功したときの爽快感はかなりの
ものだ。熟達すればかなり楽に戦闘を進めることができる。
もう一つがバトルボーナスボードだ。戦闘中に一定の条件を満たすと、経験値やお金
(フォル)や戦闘終了後の回復量が通常より増えるというボーナスが与えられる。
これを上手く使えば、少ない戦闘で効率よく経験値やお金をためたり、必殺技や呪紋を連発
しても戦闘後には自動的にMP回復して、派手な戦闘を連発できるといったことが出来るようになる。
この2つの要素などによってシリーズの熟練者はより「上手な」戦闘を追求することが出来る。
その一方で、前述したとおり、シリーズ初プレイの人でもレベルや装備をしっかり整えて
いけばごり押しでもエンディングまでしっかり辿り着けるバランスに調整されている
ので安心だ。単純に必殺技や呪紋を放つだけでも派手なエフェクトがかかるのである程度の
爽快感は味わえる。
(ごく一部、中盤以降サイトアウトが出来ないと倒すのが非常に難しくなる敵が登場するが)
このように戦闘はやはり「スターオーシャン」シリーズということで大いに楽しめるのだが、
その一方で常に弱点とされていたストーリー面では予想通り?あまり質が高いとは言えない。
まず何といっても不快なのは一部キャラクターの言動だ。
明らかに一部の萌えオタクを狙ったようなキャラクターがパーティに加入してくるのは何とか
ならないものか。シリアスな場面で「~なのよ」「~にゃあ」「~ですぅ」のような台詞が出てくる
と一気に萎えてしまう。特に15歳なのに明らかに容姿・言動とも小学生程度の年齢としか
思えないリムルというキャラには個人的にどうしても最後まで感情移入が出来なかった。
私としては「スターオーシャン」シリーズには壮大なスペースオペラを期待しているのですが…
商業的にはそういう萌えオタクをターゲットにせざるを得ないんでしょうかね。
※筆者は別に萌えゲームやキャラを否定しているわけではない。(好んでいる萌えゲーもある)
ただ、そういうキャラが相応しいゲームとそうでないゲームがあるのではと言いたいのだ。
さらに話の展開についても主人公・エッジが挫折を経験しながらも力強く成長していくという
方向性自体は良いのだが、何故わざわざそういうとってつけたような展開にするのか?
というご都合主義的な流れが多く、感動させようとしているのが分かってても、没入する
ことは出来なかった。まぁ、これはこのシリーズではいつものことなのですが…。
また、ユーザビリティの面でもいくつか不満がある。
・セーブポイントの数が少なく、1回ゲームを進めようとプレイし始めると最低でも
数十分は必要。しかもエキストラダンジョンには4,5時間程度ぶっ通しでプレイしないと
クリア出来ないものまである。いくら何でもこれはやり過ぎ。
・これもスターオーシャンシリーズの特徴であるアイテムクリエーション。
今作ではこれが惑星間の移動に使用するカルナスという宇宙船の中でしか出来ない。
材料のほとんどは惑星上の街やフィールドで入手しないといけないのだが、
カルナスとアイテム入手場所の間を行き来する手段が徒歩か、徒歩とあまり速度が
変わらないバーニィしかないので、かなり面倒くさい。
せめて、一瞬でカルナスに戻れる仕組みがあればよかったのに…
・Xbox360版はDVD3枚組のため終盤になって、過去に行った惑星に戻る時は
いちいちDISCを入れ替えないければならない。これも非常に面倒だ。
但し、これもトライエース作品全般に言えることだが、今作でもロード時間がほとんどない。
しかもこれまでのシリーズで結構頻発したフリーズも、私がプレイした限りでは全く
無かった。(終盤、ムービーが30分以上続いたせいで全く操作しなかったため、
コントローラーのワイアレス接続が切れて、ムービー終了後操作が出来なくなって
びっくりしたことはありましたが^^;)
ユーザビリティとは少し違うが、
サブクエストの半分以上がただ指定されたアイテムを持ってくるだけの「お使い」クエストで
イベントすらないため、全くやる気がしない。
という点も指摘しておきたい。こんな安易なクエストは入れなくてもよかったのではないか。
このように、明らかに快適さを損ねるようなポイントが多く、名作レベルには及ばない作品
であるが、それらマイナスポイントを吹き飛ばすほど戦闘の爽快感・やり込み性は高い。
戦闘システムに魅力を感じてプレイしてきた人であれば、価格分の満足感は得られるので
はないか。反面、ストーリー・キャラクター重視派の人であれば敢えてプレイする必要はない。
(但し、萌えを狙ったキャラが好きだという人なら楽しめる可能性もある。)
良くも悪くもトライエース開発作品らしいクセのあるRPGである。
そのクセが合うか合わないかで大きく評価は変わってくると思われる。









