全世界で大ヒットした「バイオハザード」のガンシューティング、
「アンブレラ・クロニクルズ」に続編が登場。
「バイオハザード2」、「コード:ベロニカ」の再体験に加え、
レオンとクラウザーが巻き込まれた事件に迫る新エピソード、
「オペレーション・ハヴィエ」が堪能できる意欲作だ。
本作の売りは、2人編成(ツーマンセル)と映画的演出。
ゲーム内容は、極めてオーソドックスなガンシューティング。
各ステージをオートで移動し、出てくるクリーチャーを撃ちまくる。
傍らには常に相棒の姿があり、まるで2人で行動しているかのような
臨場感が味わえるというのが、このゲームの魅力となっている。
また、多くのガンシューティングは視点が固定されているものだが、
本作では、急に敵が現れて驚いたり、攻撃を受けて地面に倒れるなど、
操作キャラクターの状況に合わせてカメラが大きく揺れ動く、
「シェイクカメラ」なるシステムが導入されている。
どうやらこれで、映画さながらの迫力を味わって欲しいようだ。
結果から言うと、この試みは失敗していると言わざるを得ない。
とにかく厄介なのが、「シェイクカメラ」というやつである。
確かに、シチュエーションに合わせてカメラが動き回るのは、
迫力を出すという意味においては成功していると言える。
しかし、ガンシューティングというのは敵を狙い撃つゲームである。
こちらは迫ってくるゾンビたちを爽快に撃ちまくりたいのに、
カメラが揺れることで狙いが定まらないのはストレスでしかない。
ただ、「シェイクカメラ」そのものを否定したいわけではない。
シューティングシーンはともかく、イベントシーンにおいては、
迫力ある映像を生み出すのに大きな役割を果たせていると思う。
問題なのは、イベントシーンとゲーム部分の境界線が曖昧で、
プレイヤーが対応に困ってしまうところにある。
エレクトロニック・アーツの「デッドスペース:エクストラクション」も、
映画的な演出を売りにしたガンシューティングゲームだったが、
あちらはイベントシーンとシューティングシーンの割り切りが明快で、
カメラの動きに関してストレスを感じる部分は少なかった。
重要なのは、メリハリの利いたプレイ環境を提供できているか否か。
ここが出来ていないから、プレイヤーが混乱してしまうのだ。
ルールを明確に定めていれば、無用なストレスを感じずに済む。
その点においては、向こうのほうが分かっている印象である。
もっと言えば、海外を中心に、プレイヤー視点で自由な移動が可能な
ゲームが発展してきて、日本にも少しずつ浸透しつつある中で、
移動を制限されてしまうガンシューティングというジャンルは、
あまり魅力的なゲーム体験とは言えなくなって来ているのだろう。
そもそも、上に挙げた「シェイクカメラ」のことがなくても、
FPSなどに代表される、自由な移動が可能なゲームを遊んでしまうと、
落ちているアイテムがカメラの動きによって取得できないなど、
ガンシューティングならではの不自由さが酷く窮屈に感じるし、
時代的な流れを見ても、受け入れられ辛くなっていると思う。
まぁ、Wiiで高い映像レベルのものを提供しようとすれば、
どうしても、この方式に頼らざるを得ないのだろうが。
そのグラフィックも、Wiiとしては相当頑張っている方だが、
プレイステーション3やXbox360で発売された「バイオハザード5」の
映像に慣れ親しんだ人から見れば、物足りなさを覚えるだろう。
それならいっそ、グラフィックのレベルを犠牲にしても、
「バイオハザード4」のように自由な移動ができる、
TPSスタイルの3Dシューティングに挑んで欲しかったし、
個人的にも、そっちのほうが遊んでみたかった。
ボスキャラとの戦闘も、もう少しテンポ良くならないものか。
ただ弱点を撃つだけではない、多様な演出には好感を持つが、長い。
やられるとボス戦の最初からやり直しだが、正直ダルい。
ボス戦の途中にもチェックポイントが欲しい。
武器の育成要素はそのまま引き継がれており、面白い。
手に入れたハーブをプレイヤー任意のタイミングで使用できたり、
ショットガンやマシンガンの弾が豊富に出てくるなど、
システム面がプレイヤー有利にマイナーチェンジされており、
相対的に難易度は大きく下がっている。
前作はEASYモードでもヒーヒー言いながらプレイしたが、
本作ではNORMALモードでもサクサク進むことが出来た。
EASYならワンボタンで照準を合わせてくれるなど、配慮も厚い。
ガンシューティングとしては無難で、しっかり遊べる作り。
気がついてみれば、随分と苦言の多い内容になってしまったが、
決してゲーム自体がつまらないというわけではない。
むしろ、とても丁寧に作られた秀作と評すべき内容だと思う。
しかし、家庭用ゲーム機の性能向上に合わせて、
供給されるゲームソフトも日進月歩の進化を遂げている。
特に、海外で人気の3Dシューティングは、その発展も著しい。
そんな時代にあって、ガンシューティングというかつての花形は、
時代の潮流の中で淘汰の道を歩み始めているのかもしれない。
ジャンルごと消え去ってしまうなんてことは無いと思うが、
いずれにしても、旧態依然の仕組みを踏襲しただけでは、
内容的にもセールス的にも、評価されるのは難しくなってきた。
時代は変わった。ゲームも変わらなければ。









