中世のアサシンとなって、立体的で広い空間を「フリーラン」で自由自在に駆け回りつつ、ターゲットを暗殺するゲーム。
前作では、単調なミッションを消化する事を強制されたり地味な現代パートが多かったりしたけど、今作ではそんな事はない。
メインストーリーでは、様々なシチュエーションでの暗殺は勿論、多勢対多勢の戦闘や拳でのタイマン、クライミング、尾行や乗り物シーンなど、多彩な展開が連続する。
さらに2ではお金の概念が追加され、装備品を買ったり拠点の発展に投資出来たりする。
★没入感重視な感じ
人のDNAに隠された情報を元に、先祖の人生をヴァーチャルリアリティによって追体験出来る装置「アニムス」を使って、主人公デズモンドがルネッサンス期イタリアに生きた一人のアサシンの人生を体験する、という流れの話。
これは中世の世界観に浸りたい人には邪魔な要素だけど、ゲーム内の物語へ浸りたい人には良い仕様だと思う。
例えばロード画面やメニュー画面、急な場面転換や何故か発光する宝箱というような、技術的な制約やプレイアビリティのためのお約束が、全てアニムスの機能として描かれてるので、ゲームの隅の方までが物語と噛み合ってる。
プレイヤーのゲームへの感情移入を極力阻害しないように、という配慮から生まれた物語設定な気がする。
そのためだけの設定になり果ててる、という事もない。
「危険が迫ってるのに状況は謎だらけ、そしてその謎はどうやらアニムスを使う事で判明するらしい」と言った感じで、物語としての引きの面でも押さえる所は押さえてる。
実在の歴史の隠された謎を追っていく展開も、アンチャーテッドとか映画のダヴィンチコードとか、あの辺に近い興奮がある。キャラクターのやりとりには不自然さがないので物語にスッと入っていけるし、ムービーシーンが長すぎたりもしない。
★簡単な操作で達人級アクション
四方を囲む敵の陣形を鮮やかに崩していく剣戟は、かなり酔える。
移動がしにくい&必要性が薄い独特の戦闘システムは、この格好いい絵を生み出すためなんじゃないかと思う。狭い場所で戦うことが多いのにも合ってる。
また、ゲーム的には単調と言ってもいい位なのに、戦闘中の動作は全てが格好良い上に操作と噛み合っていて、まるで自分が達人になってるかのような気分になれて楽しい。
武器ごとに専用のアクションがあるし、同じ武器の同じ操作にも複数のパターンが用意されてもいる。
たまにカメラワークが変化するのも良い。
兵士の集団を見たら意味もなく戦いを仕掛けたくなる位の魅力がある。
勿論暗殺も格好いい。
暗殺を決めると独特の効果音と共にカメラワークが変化するし、他の殺り方と比べても一際存在感ある。
ぶら下がり状態からの暗殺や、飛び降りざまの暗殺、両手を使ったダブル暗殺、それらの組み合わせなど、前作より使い所も派手さも増した。
状況を確認して作戦を立て、敵に気付かれずに作戦通りに暗殺→逃走出来た時はかなり気持ちいい。
煙玉やピストル、仲間の雇用や買収、死体を隠したり陽動に使ったり等、2で追加された他の要素全ても、大いに暗殺者のヒロイズムを堪能させてくれる。
これらも、単純にゲーム的な手の一つってだけでなく絵的に説得力あるので、暗殺者になりきる感覚が強まる。
★他
舞台の美しさも良い。
前作同様、グラフィックは次世代機でもトップクラス。遠くまで描かれてる上にシームレスで、空気感や陰の表現も凝ってる。
ルネッサンス期のイタリア街並みには荘厳さと華やかさがあって絵になる上、BGMも色もどこか幻想的なニュアンスで統一されていて、雰囲気抜群。人工的なものだけじゃなく自然の風景もそれなりにあって、こちらも美しい。
風景を眺めるだけで、それなりに間が持つ。巨大な教会や塔のてっぺんによじ登って見る景色の迫力なんかは凄い。
街だけじゃなくそこに住む住民も細かく大量に描かれていて、臨場感はさらに高まる。
そんな街の中をフリーランで縦横無尽に駆け回るのはなかなか楽しい。
メインストーリーには関係ないサブの探索要素も、前作とは違って結構力入ってる。
最強の防具の封印を解くための6つの印集めや敵勢力の財宝奪取には、それぞれ結構な規模のオリジナルステージが用意されてる。
シンボル探しも、前作のラストの「被検体16号のメッセージ」絡みの、物語の背景を理解するためのサイドストーリーとして展開する。また、一つのシンボルを発見する度に出題される脳トレ的な謎解きは、シンプルながらもなかなか面白い上に物語と噛み合ってるし、寒気がする程雰囲気がある。
最終的には物語の核心に近づく(そして微妙にエロい)ムービーが完成するのもあって、モチベーション上がる。
上の二つに比べると安い作りだけど、他にも色々な探索要素がある。
暗殺や鉄拳制裁や競争などの各種サブミッションは、安いとはいえそれぞれが一応独自の物語背景持ってる。
ゼルダで言うところのハートの欠片である「写本」集めも、前作の主人公アルタイルのその後の様子が窺える日記が楽しめたりする。
他にも、大量に集めると武具が手に入る羽探しや、お金が入ってる宝箱探しなどがある。
★人によっては気になりそうな部分
色々な手があるわりにはゴリ押しが可能なバランスになってる。
でも、ゲーム的にも絵的にも物語的にも「暗殺の方が勝ち」って空気があって、やっぱり華麗に暗殺した方が断然気持ち良くなれる。
プレイスタイルによっては少し不満かもしれないけど、幅を持たせたバランスって事なのかも。
武具や絵画集め、拠点の発展などは、面白いけど早々にやることなくなる。
金の使い道なくなるので各町に配置されてる宝箱探しやサブミッションにも意味がなくなる。
でもメインストーリーだけでも充分値段分楽しめる内容だし、個人的には特に大きな不満はない。
探索や金稼ぎはゲーム的にそれほど重要じゃなく、無視して構わない要素とされてるのも、そういうの苦手な人にはポイント高いと思う。
あと、広い空間を自由に動き回るのも売りの一つなのもあってか、どうしても移動するだけの時間がそれなりある。
前作より街の間を行き来する場面が少ないし、移動ステーションを使って一瞬で別の街に行けるようになってるんだけど。
個人的には、景色を楽しめたしフリーランも絵になるので、それなりに間が持った。
また、これはオレの腕の問題でもあるんだけど、特に競争ミッションの時とか、素早く繊細な操作を要求されるシーンでのフリーランで誤作動が起きやすかった。
視点移動が遅いって人もいるけど、これはオプションで改善出来る。
★まとめ
アクション好きにとっては多分難易度は高くないと思うけど、どの局面でも凄腕のアサシンが格好良く立ち回ってる絵が生まれるので、結構自分に酔える。
ステルスアクションとして丁寧な出来だし、ローカライズ丁寧だし、なによりも臨場感や没入感が光ってる、そんなゲームだった。
前作がいまいちだった人も、今回は楽しめると思う。





