旧友であるクラークの元を訪れたレイトン。
彼は、クラークの息子であるルークから驚くべき一言を聞くことになる。
「もうすぐ世界は終わるんだ」
突拍子のない一言だった。
だが、その言葉には無視することの出来ない迫力と強い想いが込められていた。
そして、街へ現れる魔神の姿がルークの言葉を真実へと近づけていく。
破壊された街の姿は、彼の言う”未来の世界”を予感させるに十分だったのだ。
それでもレイトンは言った。
私が魔神の謎を解き明かせてみせる、と。
いつも通りの優しく静かな口調で。
脅威の存在に対する恐怖心はあった。
だが、彼にとっては十分だった。
旧知の知り合いであるクラークからの頼みを断ることは出来ないという優しさ。
心を閉ざしてしまったルークを救いたいという願望。
そして、まだ見ぬ謎を解き明かしたいという探究心。
恐怖心を打ち砕くには十分すぎる理由が、彼には存在していた。
彼は、小さく震えるルークの肩に手を置き優しく言う。
「現実から逃げていては、真実には辿り着けないよ」
思えば、ルークはこの一言から惹かれ始めていたのかもしれない。
シルクハットをかぶった素晴らしき優しさと頭脳を持ったレイトン教授に。
そう。
このお話は、レイトン教授とルーク、出会いの物語。
---【 基本的システムはそのままに、高められた完成度 】---
レイトンシリーズ第四弾となる本作。
前作『レイトン教授と最後の時間旅行』までのシリーズを一新し
レイトンとルークの出会いをテーマにしたセカンドシーズンの始まりである。
とは言っても、ゲームシステムまでもが一新しているわけではなく
今までのシリーズをプレイしたことがある者ならば、安心して遊べる仕上がりである。
もちろん、丁寧なチュートリアルも健在なので今作から始める方にも問題はないだろう。
「画面上のキャラや、気になる場所をタッチすることで
会話やナゾトキがスタートし、物語が進んでいく」という基本スタイルはそのままに
登場する謎は、物語とより関係の深い題材が選ばれるようになっているため
物語からナゾトキ、ナゾトキから物語へと移り変わる場面に違和感が少なくなっている。
より楽しく、より夢中にナゾトキを楽しめる仕上がりで
特にクライマックス部分での物語と謎のリンクは彩る音楽も見事なもので
プレイヤーの気持ちを強く盛り上げている。
レベルファイブお得意のアニメーションもふんだんに用いられている。
特に物語の導入部にあたる場面では、アニメーション中にキャストが表示されていくなど
演出も凝ったものになっており、一本の映画が始まるような感覚に陥らせてくれるのである。
基本部分に目新しさは感じられないものの、完成度はより高められており
シリーズファンは勿論、初めての方でも魅力を感じるには十分な作りであると言えるだろう。
---【 物語の核となる大きな謎。少々強引さが感じられる部分も 】---
『不思議な町』『悪魔の箱』『最後の時間旅行』。
これら全てに共通することと言えば、”大きな謎から始まる”ということが挙げられる。
物語導入部分で突きつけられた大きな謎は、プレイヤーをレイトンワールドへ惹き付ける
とっておきの魔力を持っているのである。
もちろん、本作も例外ではなく”濃霧の中、大きな魔神が現れる”という
現実では考えにくいことが取り上げられ、プレイヤーをナゾトキに夢中にさせている。
物語中に出会った謎を少しずつ解いていき
最終的に導入部分で提示された謎を解き明かすというスタイルは
物語をスムーズに進ませるという利点がある。
レイトンシリーズはそれだけに留まらず
一見不可能に思えた出来事を可能にする”ちょっとしたカラクリ”を入れることで
「ああ、そういうことだったのか」という心地良さも与えているのが見事な点なのである。
「心地良さを味わえる」
その点だけをピックアップするならば
本作は今までのシリーズと比較すると少し劣るかもしれない。
提示された謎を解いていくために用意された”答”に少々強引な部分が見られ
前作までのシリーズ作品と比較すると、スッキリした感覚は弱め。
毎回、心地良さを味わえる謎と解答を用意することは難しいかもしれない。
だが、本シリーズは基本システムの完成度の高さもさることながら
導入部から解答までの流れがスムーズであることも高評価されている点だと思うので
もう少し頑張って欲しかったところだ。
「相手を想う気持ち」を全面に押し出したハートフルなストーリーで
ルークがレイトンに惹かれるまでの過程もしっかりと描かれている。
それだけに、余計に惜しく感じられる。
---【 更なる進化を遂げるための謎を解き明かすことは出来るだろうか? 】---
ナゾトキ以外のオマケ要素が多く追加されているのも大きな特徴である。
ちょっとした閃きを必要とするミニゲームの出来も良く、
クリア後に開放される「ロンドンライフ」というモードは長時間遊べる作り。
ただ、自らのアバターを作って起こるイベントをこなしていくという「ロンドンライフ」は
確かに長時間遊べるのだが、それは”遊ぼうと思えば”という前提がつき
プレイヤーによっては、すぐさま飽きてしまう可能性も否めないだろう。
本作はオマケ要素が多く含まれていて
本編以外でも楽しませようという気持ちが伝わってくる。
その気持ちは大変有難いが、「本編はこれ以上の進化は望めない」と考えているのならば
話は違ってくるのではないだろうか。
ナゾトキとアドベンチャーの融合を見事に成し遂げ
シリーズを重ねるごとに完成度を高めていったレイトン教授シリーズ。
その完成度は、本作でもより高められてはいるが驚くべき進化は見られない。
それはつまり、プレイヤーにある種の感覚を生ませてしまう。
”高められた完成度と、漂い始めたマンネリ感”
本作を端的に表すとこういった言葉がしっくりと来るのではないか。
一つ一つを見ていくと確かに良い出来で十分に遊べる作品なのだが
レイトンシリーズということを考えると
期待していたものよりは若干下回ると思ってしまうプレイヤーは少なくないだろう。
今、完成されたシステムに対して謎が突きつけられた。
レイトン教授は、無事解き明かすことが出来るだろうか?
「更なる進化を遂げよ」
既に発表された次回作『レイトン教授と奇跡の仮面』では
システムも一新して全く新しいレイトンシリーズとなるようである。
どうやら、一人のプレイヤーである私が心配するまでもなく
シリーズ最大の謎に対するナゾトキは既に開始されているようだ。
ならば、シリーズファンとしては何も心配することはないだろう。
きっと、レイトン教授は見事な答を提示してくれるに違いないからだ。
英国紳士として、ね。
[要点Check!]
オススメ度
★★★★★★★★☆☆
プレイ時間(目安)
クリアまでに15~20時間程度
クリア後に開放されるモードも含めるなら長時間遊べる作品
ココが素晴らしい
・映画を見ている感覚に陥らせる演出面
・ストーリーとマッチした謎
ココが気になった
・導入部の謎から解答へ導くまでの過程が少々強引な部分がある
コメント
ストーリー部分に少々強引さが感じられるものの、相変わらず抜群の安定感。
次回作での更なる進化に期待したい。






