◆ 新たなる最弱アクションヒーロー登場?
罪を犯した人間の魂を宿す者達、『プリニー』。
ある日、プリニー達の雇い主、魔神『エトナ』が楽しみに取って置いた
スイーツが何者かに横取りされる。
怒り狂うエトナから、プリニー達は『究極のスイーツ』探しを命じられる。
タイムリミットは…たったの1日。
『魔界戦記ディスガイア』シリーズの人気キャラクター、
『プリニー』を主人公とした2Dアクション。
正式ジャンル名は『史上最凶のやみつきアクション』。
その名が現すかのごとく、硬派でやり込み要素満載の、
日本一ソフトウェアらしさ満点の一本である。
◆ 概要
ゲーム自体は正統派のステージクリア型2Dアクション。
プリニーを操作して全10ステージ(OPステージを含めると11ステージ)攻略を目指す。
進行はカプコンの『ロックマン』シリーズを彷彿とさせる、ステージセレクト方式で展開。
全6つのステージを好きな順番で攻略していくことができる。
(残り4つのステージは終盤という事で一本道)
特徴的なシステムとして、時間経過によるステージ変化。
ステージを1つクリアする度に1時間が経過し、
後にプレイするステージの難易度、ボスキャラ、更には地形、
クリア後の入手アイテムが変化していくようになっている。
各変化は時間が経過するにつれ、より激しくなっていくので、
攻略を後回しにすればするほど、ステージの難易度は上がる。
ステージセレクト方式という事で、気軽に且つ自由に攻略できると思いきや、
実のところは、選んだステージがその後の展開と難易度の変化を左右していく、
意外に戦略性の深い作り。
元がシミュレーションRPGのディスガイアの匂いが漂う、独創的なシステムとなっている。
また、もう一つ特徴的なものとして、プリニー達の残機。
初期の時点で1000と、膨大な量が設定されている。
但し、エクステンド(残機アップ)の概念が無く、
ミスした後に回復させる手段はない。
更にこの残機数が示すように、ゲーム全体の難易度もかなり高く、
アクションが苦手な方ならば確実に折れるきつさ。
3回までのミスが許される『スタンダード』と1発ミスの『魔界公式』、
二つの難易度が選べるが、どちらを取ってもきつさに代わりは無い。
そのきつさから、
「カプコンの魔界村の名を引き継ぐもの」と呼んでもおかしくない。
……というより実際、本当に魔界村を引き継ぐものである。
だって、ジャンプの軌道が固定だから。
舞台も魔界だから。
◆ 病み付き必至の絶妙なゲームバランス
アクションゲームが苦手な方なら、確実に折れる難易度と言ったが、
全体のバランスはすこぶる良く、決して理不尽なものではない。
そこが今作の強み。
どんなに鬼畜な難易度のステージであっても、
「結局は、プレイヤーの腕前が攻略のカギとなる」
という原則が一貫されており、
諦めない気持ちと向上心さえあれば、必ず攻略が可能。
そして慣れれば、ノーミスクリアも余裕になるなど、
プレイヤー自身のスキルアップを確実に実感できる、
芸術的なバランスでまとめられている。
敵配置、仕掛け配置も的確で、理不尽に見えそうで実はそうでない、
凄く絶妙なバランスで統一されているのが秀逸。
プレイヤー自身のジャンプの軌道が固定されているのもあり、
全体的に覚えて対処できる仕掛けが多く、何度か経験を積めば、
そこでどう対処すれば良いのかが分かってくるようになっている。
なので、同じミスを繰り返さない意識を持ってプレイを重ねていけば、
自然とクリア可能。
均衡の取れた調整となっている。
また高い難易度ながら、サポートが効いているのも強み。
本編で登場する全てのステージには、『リトライポイント』が設置されているのだが、
これが結構、豊富に置かれており、
やられながら進めても、確実に前へと進んでいけるよう、配慮されている。
なので、やられた際のデメリットが薄く、モチベーションが落ち難い。
またミスをした際も、冗長な演出は無く、
直にリトライポイントから再開する、ノンストレス設計で、
そこもまたモチベーションの落ち難さをカバーしている。
高い難易度のゲームというと、リトライ時に味わう苦痛が大きい、
なんてイメージがあるかもしれないが、今作は別。
ミスはし易いけど、ミスした際の苦痛はあまり大きくない(人にもよるが)、
とても珍しいバランスとなっている。
◆ 日本一ソフトウェアらしい、膨大なやり込み要素
日本一ソフトウェアのゲームらしく、やり込み要素も膨大。
アイテム収集にスペシャルステージ、別のキャラが主役を務めるスペシャル
シナリオ、全時間別のステージ制覇など、相変わらず無駄に入れ込みまっている。
普通にクリアするなら、大体7~10時間ぐらいでエンディングを迎えられるが、
全てを制覇するとなると、余裕でその倍は行く仕様。
アクションゲームなのに入れ過ぎだろ、と
誰もが突っ込みたくなるボリュームとなっている。
特に今作に用意されてるやり込み要素の中で一番の見所は、
クリア後に遊べるようになるスペシャルステージ『練武の塔』。
難易度測定不能な上に異常に長く、アクションゲーム熟練者でも折れかねない、
文字通りの地獄クラスのステージとなっている。
その難しさは、大袈裟かもしれないが、歴代アクションゲームの中でも
三本の指に入るレベル。
難しいアクションが好きな方ならば狂喜乱舞、アクションが苦手な方
ならば喪失必至の憂き目に遭うのは…もはや言うまでも無く。
最近のアクションゲームは生温くて、これの本編も大した事ないなと
感じた方ほど、遊んでみることをお薦めする。
多分、真っ白に燃え尽きる。
難易度が『魔界公式』だったら白どころか半透明になる。多分。
◆ 随所で光る、2Dアクションゲームへの愛
高い難易度とやり込み要素の多さだけでなく、ゲーム全体から漂う、
制作スタッフの2Dアクションゲームに対する熱烈な『愛』も見逃せない。
正直、ぶっちゃけると今作を構築している要素の大半は、
他のアクションゲームから寄せ集めたものとなっている。
軌道固定ジャンプは『魔界村』、
剣による攻撃は『ストライダー飛竜』、
ヒップアタックに至っては『ヨッシーアイランド』(『スーパーマリオ64』)、
ステージセレクトは『ロックマン』等など、
アクションゲームに精通した方ならば、直にその元ネタが見破れるほど、
露骨なオマージュが炸裂している。
だけど、今作が素晴らしいのは、
単にそれらの要素を寄せ集めたのでなく、
きちんとその『弱点』と『売り』を研究した上での起用がされている事。
分かり易いのが軌道固定ジャンプ。
その名の通り、このジャンプは飛ぶ方向が固定されていて、
十字キーによる方向の微修正が効かない欠点がある。
だが、軌道が固定されてるから、
穴を越える際に最適な距離を読み易いという強みある。
それでも、軌道が変えられないのはプレイヤーにとって大きなストレス。
どうすれば、軌道が変わらないからこその強みを活かし、面白くできるか?
その答えとして今作が取ったのが、
『ヨッシーアイランド』から引っ張ってきたヒップアタック。
これがあれば、ジャンプ中のアタックで、僅かながら軌道が調整できるし、
軌道ジャンプの強みを損なわず、一定の自由度も出せる。
少しテクニックはいるけど、普通の軌道固定ジャンプと違い、
調整が効くだけでもプレイヤーの選択肢は増えるし、
ストレスもある程度ながら、軽減させられる。
それプラス、操作感もある程度、軽くすればなお、動かす面白さも高められる。
……と言った感じに、元のアクションの売りは活かした上で、
それをより面白く、プレイヤーへのストレスを感じさせないようにする。
そんな理念の下で、今作では各種、オマージュが機能されているのである。
ネタ目的な意味も込められてるのかもしれない。
だけど、それを「適当に入れてみました」という軽い気持ちで起用して
いない辺りに、スタッフのアクションゲームに対する深い愛が溢れている。
それはテキストでダラダラ説明するのでなく、ステージを進めながら、
動作を覚えていくスタイルを起用したチュートリアルにも言える。
テキストを読ませるより、動作を習得させる事に絞った方が、
ゲームのテンポが守られる、とまるで言ってるかのようなそれも、
スタッフがアクションゲームのイロハを分かっているからこそのもの。
そのツボを抑えた出来栄えには、かの歴史的名作アクションゲーム、
『スーパーマリオブラザーズ』の1-1
(※プレイヤーに意識させない形で設計されたチュートリアルステージ)
を髣髴とさせられる。
今となっては、アクションゲームでも、テキストによって説明するのが
増えつつあるだけに、こうして経験を通じてプレイヤーに操作を覚えさせる
スタイルを取り入れてるのは凄く希少。
しかも、あえてマリオの1-1をベースにしたものを起用する辺りに、
最近の他のアクションゲームとの格の違いが出てる。
本当、ここは流石だとしか他にコメントのしようが無い。
更にアクションゲームと言えば操作性だが、
これもキーアサイン等も含め、最高クラス。
軌道固定ジャンプで、魔界村みたいな重いものを感じるかもしれないが、
驚くほど、スムーズに、且つ快適にプリニーを動かせる。
そしてまた、アクションゲームはゲームプレイを盛り上げる音楽も大事だが、
今作はそこもちゃんと分かった出来栄え。
プリニーを始めとする、可愛いキャラクター達のイメージとは反した、
カッコイイ曲が盛り沢山なので、嫌でも高揚感が昂らされるだろう。
特にタイトル画面の曲は、今作の可愛らしいイメージを払拭するほど、
インパクトのある出来。是非とも要チェックだ。
◆ 連打場面多し。やり過ぎると腱鞘炎の恐れあり!
欠点は初心者お断りな難易度の高さも一つといえば一つだが、
それ以上に残念なのは、本編における連打場面の多さ。
基本的にプレイヤーのプリニーは攻撃力が低めで、
連続して攻撃しないと、ボスにまともなダメージを与えられなかったりするのだが、
その際に要求される連打の量があまりに多い。
高橋名人並とまでは行かないが、それに匹敵するほどの量を叩かないと、
序盤を除く、大半のボスには適切なダメージを与えられない。
雑魚敵でも、陰湿な攻撃を仕掛けてくるメンツに限って体力が多く、
連打しないと素早く倒せない。
しかも、陰湿な攻撃を仕掛けてくるから、ゆっくり倒そうとすると、
返ってダメージが増えたり、ミスに繋がったりするからデメリットも多し。
一番酷いのがラスボスで、
戦闘中、ずっと連打していないと絶対に倒せないほど固い。
更に少しでも攻撃の手を緩めたら、制限時間がきてタイムオーバーになるなど、
時間的な余裕も無いシビアさ。
まだ、そこまで力を入れて連打をしなくても良いようになってるだけマシだが、
流石にこれはやり過ぎている感が否めず。
特にラスボスに関しては、もっと緩く出来なかったのかと悔やまれる。
しかも、その戦闘に限って、再プレイする際の苦痛は、
肉体的に「筋肉痛」として返っても来るから、尚更。
ここまで来ると、もはや拷問である。
こんな連打しなければならない調整になったのは、
デバッグチームは全員、力自慢しかいなかったという背景でもあったのか。
仮にそうだとしたら、力の弱い人もメンバーの入れろよ、としか言い様が無い。
その他、プレイヤーの攻撃である『プリニー連射(ジャンプした際に攻撃ボタンを
押すと発動)』のカメラアングル変更演出も謎。
普通に穴とかがあると、角度が変わる都合で事故が起き易い。
オプションで通常の2D視点に切り替えられるようにはなってるものの、
正直、そちらをデフォルトにしておくべきだった感は否めない。
演出的に派手にしたい意図があってなのかもしれないが、
もう少しプレイヤー側の視点に立った調整をして欲しかったところだ。
◆ 大きな困難を乗り越える面白さが満載の傑作
色々と細かい欠点はあるが、やり応えと完成度はかなりのもの。
最近のアクションゲームは温くて、達成感も薄いから面白くない!
たまには魔界村みたいな硬派なのがやってみたい!
そう思って仕方がない方にこそ是非、チャレンジしてみて頂きたい一本。
可愛らしいキャラクターデザインと世界観に違和感を覚えるかもしれないが、
これは正真正銘の『漢(おとこ)の為のアクションゲーム』。
今では、過去のものになりつつある、
「大きな困難を乗り越える面白さ」がこのゲームには詰まっている。
我こそはというプレイヤー、そしてアクションゲームが好きなプレイヤー。
その全てに自信を持ってお薦めする、至高の逸品。
これは冗談抜きに熱い。
やり過ぎてPSPを壊さないよう、気をつけよう。
ディスガイアシリーズのイメージから、
「日本一ソフトウェアって、シミュレーションRPGしか作れないメーカーだ」
とか思っている方も、少しでも良いのでプレイしてみて欲しい。
きっと、その認識は大きく変わるはずだ。
【プリニー ~オレが主人公でイイんスか?~】「キミが主人公でイイんスよ。」シェループ - GAME POTATO[ゲームポテト]
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罪を犯した人間の魂を宿す者達、『プリニー』。
ある日、プリニー達の雇い主、魔神『エトナ』が楽しみに取って置いた
スイーツが何者かに横取りされる。
怒り狂うエトナから、プリニー達は『究極のスイーツ』探しを命じられる。
タイムリミットは…たったの1日。
『魔界戦記ディスガイア』シリーズの人気キャラクター、
『プリニー』を主人公とした2Dアクション。
正式ジャンル名は『史上最凶のやみつきアクション』。
その名が現すかのごとく、硬派でやり込み要素満載の、
日本一ソフトウェアらしさ満点の一本である。
◆ 概要
ゲーム自体は正統派のステージクリア型2Dアクション。
プリニーを操作して全10ステージ(OPステージを含めると11ステージ)攻略を目指す。
進行はカプコンの『ロックマン』シリーズを彷彿とさせる、ステージセレクト方式で展開。
全6つのステージを好きな順番で攻略していくことができる。
(残り4つのステージは終盤という事で一本道)
特徴的なシステムとして、時間経過によるステージ変化。
ステージを1つクリアする度に1時間が経過し、
後にプレイするステージの難易度、ボスキャラ、更には地形、
クリア後の入手アイテムが変化していくようになっている。
各変化は時間が経過するにつれ、より激しくなっていくので、
攻略を後回しにすればするほど、ステージの難易度は上がる。
ステージセレクト方式という事で、気軽に且つ自由に攻略できると思いきや、
実のところは、選んだステージがその後の展開と難易度の変化を左右していく、
意外に戦略性の深い作り。
元がシミュレーションRPGのディスガイアの匂いが漂う、独創的なシステムとなっている。
また、もう一つ特徴的なものとして、プリニー達の残機。
初期の時点で1000と、膨大な量が設定されている。
但し、エクステンド(残機アップ)の概念が無く、
ミスした後に回復させる手段はない。
更にこの残機数が示すように、ゲーム全体の難易度もかなり高く、
アクションが苦手な方ならば確実に折れるきつさ。
3回までのミスが許される『スタンダード』と1発ミスの『魔界公式』、
二つの難易度が選べるが、どちらを取ってもきつさに代わりは無い。
そのきつさから、
「カプコンの魔界村の名を引き継ぐもの」と呼んでもおかしくない。
……というより実際、本当に魔界村を引き継ぐものである。
だって、ジャンプの軌道が固定だから。
舞台も魔界だから。
◆ 病み付き必至の絶妙なゲームバランス
アクションゲームが苦手な方なら、確実に折れる難易度と言ったが、
全体のバランスはすこぶる良く、決して理不尽なものではない。
そこが今作の強み。
どんなに鬼畜な難易度のステージであっても、
「結局は、プレイヤーの腕前が攻略のカギとなる」
という原則が一貫されており、
諦めない気持ちと向上心さえあれば、必ず攻略が可能。
そして慣れれば、ノーミスクリアも余裕になるなど、
プレイヤー自身のスキルアップを確実に実感できる、
芸術的なバランスでまとめられている。
敵配置、仕掛け配置も的確で、理不尽に見えそうで実はそうでない、
凄く絶妙なバランスで統一されているのが秀逸。
プレイヤー自身のジャンプの軌道が固定されているのもあり、
全体的に覚えて対処できる仕掛けが多く、何度か経験を積めば、
そこでどう対処すれば良いのかが分かってくるようになっている。
なので、同じミスを繰り返さない意識を持ってプレイを重ねていけば、
自然とクリア可能。
均衡の取れた調整となっている。
また高い難易度ながら、サポートが効いているのも強み。
本編で登場する全てのステージには、『リトライポイント』が設置されているのだが、
これが結構、豊富に置かれており、
やられながら進めても、確実に前へと進んでいけるよう、配慮されている。
なので、やられた際のデメリットが薄く、モチベーションが落ち難い。
またミスをした際も、冗長な演出は無く、
直にリトライポイントから再開する、ノンストレス設計で、
そこもまたモチベーションの落ち難さをカバーしている。
高い難易度のゲームというと、リトライ時に味わう苦痛が大きい、
なんてイメージがあるかもしれないが、今作は別。
ミスはし易いけど、ミスした際の苦痛はあまり大きくない(人にもよるが)、
とても珍しいバランスとなっている。
◆ 日本一ソフトウェアらしい、膨大なやり込み要素
日本一ソフトウェアのゲームらしく、やり込み要素も膨大。
アイテム収集にスペシャルステージ、別のキャラが主役を務めるスペシャル
シナリオ、全時間別のステージ制覇など、相変わらず無駄に入れ込みまっている。
普通にクリアするなら、大体7~10時間ぐらいでエンディングを迎えられるが、
全てを制覇するとなると、余裕でその倍は行く仕様。
アクションゲームなのに入れ過ぎだろ、と
誰もが突っ込みたくなるボリュームとなっている。
特に今作に用意されてるやり込み要素の中で一番の見所は、
クリア後に遊べるようになるスペシャルステージ『練武の塔』。
難易度測定不能な上に異常に長く、アクションゲーム熟練者でも折れかねない、
文字通りの地獄クラスのステージとなっている。
その難しさは、大袈裟かもしれないが、歴代アクションゲームの中でも
三本の指に入るレベル。
難しいアクションが好きな方ならば狂喜乱舞、アクションが苦手な方
ならば喪失必至の憂き目に遭うのは…もはや言うまでも無く。
最近のアクションゲームは生温くて、これの本編も大した事ないなと
感じた方ほど、遊んでみることをお薦めする。
多分、真っ白に燃え尽きる。
難易度が『魔界公式』だったら白どころか半透明になる。多分。
◆ 随所で光る、2Dアクションゲームへの愛
高い難易度とやり込み要素の多さだけでなく、ゲーム全体から漂う、
制作スタッフの2Dアクションゲームに対する熱烈な『愛』も見逃せない。
正直、ぶっちゃけると今作を構築している要素の大半は、
他のアクションゲームから寄せ集めたものとなっている。
軌道固定ジャンプは『魔界村』、
剣による攻撃は『ストライダー飛竜』、
ヒップアタックに至っては『ヨッシーアイランド』(『スーパーマリオ64』)、
ステージセレクトは『ロックマン』等など、
アクションゲームに精通した方ならば、直にその元ネタが見破れるほど、
露骨なオマージュが炸裂している。
だけど、今作が素晴らしいのは、
単にそれらの要素を寄せ集めたのでなく、
きちんとその『弱点』と『売り』を研究した上での起用がされている事。
分かり易いのが軌道固定ジャンプ。
その名の通り、このジャンプは飛ぶ方向が固定されていて、
十字キーによる方向の微修正が効かない欠点がある。
だが、軌道が固定されてるから、
穴を越える際に最適な距離を読み易いという強みある。
それでも、軌道が変えられないのはプレイヤーにとって大きなストレス。
どうすれば、軌道が変わらないからこその強みを活かし、面白くできるか?
その答えとして今作が取ったのが、
『ヨッシーアイランド』から引っ張ってきたヒップアタック。
これがあれば、ジャンプ中のアタックで、僅かながら軌道が調整できるし、
軌道ジャンプの強みを損なわず、一定の自由度も出せる。
少しテクニックはいるけど、普通の軌道固定ジャンプと違い、
調整が効くだけでもプレイヤーの選択肢は増えるし、
ストレスもある程度ながら、軽減させられる。
それプラス、操作感もある程度、軽くすればなお、動かす面白さも高められる。
……と言った感じに、元のアクションの売りは活かした上で、
それをより面白く、プレイヤーへのストレスを感じさせないようにする。
そんな理念の下で、今作では各種、オマージュが機能されているのである。
ネタ目的な意味も込められてるのかもしれない。
だけど、それを「適当に入れてみました」という軽い気持ちで起用して
いない辺りに、スタッフのアクションゲームに対する深い愛が溢れている。
それはテキストでダラダラ説明するのでなく、ステージを進めながら、
動作を覚えていくスタイルを起用したチュートリアルにも言える。
テキストを読ませるより、動作を習得させる事に絞った方が、
ゲームのテンポが守られる、とまるで言ってるかのようなそれも、
スタッフがアクションゲームのイロハを分かっているからこそのもの。
そのツボを抑えた出来栄えには、かの歴史的名作アクションゲーム、
『スーパーマリオブラザーズ』の1-1
(※プレイヤーに意識させない形で設計されたチュートリアルステージ)
を髣髴とさせられる。
今となっては、アクションゲームでも、テキストによって説明するのが
増えつつあるだけに、こうして経験を通じてプレイヤーに操作を覚えさせる
スタイルを取り入れてるのは凄く希少。
しかも、あえてマリオの1-1をベースにしたものを起用する辺りに、
最近の他のアクションゲームとの格の違いが出てる。
本当、ここは流石だとしか他にコメントのしようが無い。
更にアクションゲームと言えば操作性だが、
これもキーアサイン等も含め、最高クラス。
軌道固定ジャンプで、魔界村みたいな重いものを感じるかもしれないが、
驚くほど、スムーズに、且つ快適にプリニーを動かせる。
そしてまた、アクションゲームはゲームプレイを盛り上げる音楽も大事だが、
今作はそこもちゃんと分かった出来栄え。
プリニーを始めとする、可愛いキャラクター達のイメージとは反した、
カッコイイ曲が盛り沢山なので、嫌でも高揚感が昂らされるだろう。
特にタイトル画面の曲は、今作の可愛らしいイメージを払拭するほど、
インパクトのある出来。是非とも要チェックだ。
◆ 連打場面多し。やり過ぎると腱鞘炎の恐れあり!
欠点は初心者お断りな難易度の高さも一つといえば一つだが、
それ以上に残念なのは、本編における連打場面の多さ。
基本的にプレイヤーのプリニーは攻撃力が低めで、
連続して攻撃しないと、ボスにまともなダメージを与えられなかったりするのだが、
その際に要求される連打の量があまりに多い。
高橋名人並とまでは行かないが、それに匹敵するほどの量を叩かないと、
序盤を除く、大半のボスには適切なダメージを与えられない。
雑魚敵でも、陰湿な攻撃を仕掛けてくるメンツに限って体力が多く、
連打しないと素早く倒せない。
しかも、陰湿な攻撃を仕掛けてくるから、ゆっくり倒そうとすると、
返ってダメージが増えたり、ミスに繋がったりするからデメリットも多し。
一番酷いのがラスボスで、
戦闘中、ずっと連打していないと絶対に倒せないほど固い。
更に少しでも攻撃の手を緩めたら、制限時間がきてタイムオーバーになるなど、
時間的な余裕も無いシビアさ。
まだ、そこまで力を入れて連打をしなくても良いようになってるだけマシだが、
流石にこれはやり過ぎている感が否めず。
特にラスボスに関しては、もっと緩く出来なかったのかと悔やまれる。
しかも、その戦闘に限って、再プレイする際の苦痛は、
肉体的に「筋肉痛」として返っても来るから、尚更。
ここまで来ると、もはや拷問である。
こんな連打しなければならない調整になったのは、
デバッグチームは全員、力自慢しかいなかったという背景でもあったのか。
仮にそうだとしたら、力の弱い人もメンバーの入れろよ、としか言い様が無い。
その他、プレイヤーの攻撃である『プリニー連射(ジャンプした際に攻撃ボタンを
押すと発動)』のカメラアングル変更演出も謎。
普通に穴とかがあると、角度が変わる都合で事故が起き易い。
オプションで通常の2D視点に切り替えられるようにはなってるものの、
正直、そちらをデフォルトにしておくべきだった感は否めない。
演出的に派手にしたい意図があってなのかもしれないが、
もう少しプレイヤー側の視点に立った調整をして欲しかったところだ。
◆ 大きな困難を乗り越える面白さが満載の傑作
色々と細かい欠点はあるが、やり応えと完成度はかなりのもの。
最近のアクションゲームは温くて、達成感も薄いから面白くない!
たまには魔界村みたいな硬派なのがやってみたい!
そう思って仕方がない方にこそ是非、チャレンジしてみて頂きたい一本。
可愛らしいキャラクターデザインと世界観に違和感を覚えるかもしれないが、
これは正真正銘の『漢(おとこ)の為のアクションゲーム』。
今では、過去のものになりつつある、
「大きな困難を乗り越える面白さ」がこのゲームには詰まっている。
我こそはというプレイヤー、そしてアクションゲームが好きなプレイヤー。
その全てに自信を持ってお薦めする、至高の逸品。
これは冗談抜きに熱い。
やり過ぎてPSPを壊さないよう、気をつけよう。
ディスガイアシリーズのイメージから、
「日本一ソフトウェアって、シミュレーションRPGしか作れないメーカーだ」
とか思っている方も、少しでも良いのでプレイしてみて欲しい。
きっと、その認識は大きく変わるはずだ。






