戦闘は磐石の面白さだが、様々な要素がそれを邪魔してる

2009年02月25日 20:14
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Xbox360

スターオーシャン4 THE LAST HOPE

RPG

スクウェア・エニックス

2009年02月19日発売

8,925円[税込]

レビュアー評価

■開発:tri-Ace
  プロデューサー:田村裕志、山岸功典
  ディレクター:巌光生
  シナリオ:あおしまたかし(SATZ)
  音楽:桜庭統
  アートディレクター:澤村栄公
  キャラクターイラストレーション:エナミカツミ
  原案/監修:則本真樹
■予約特典
  CD 『 STAR OCEAN SOUND BEST COLLECTION 』

【スターオーシャン4 THE LAST HOPE】「戦闘は磐石の面白さだが、様々な要素がそれを邪魔してる」白 - GAME POTATO[ゲームポテト]
アクション性の強い戦闘が魅力の人気RPGの4作目。
 
全体的なデザインとしては、ほとんど3に近く、移動シーンで敵シンボルと接触するとアクションバトルに移行する、オーソドックスな昔ながらのJRPG。
様々なアイテムをプレイヤー自ら作る「アイテムクリエーション」も健在。
臨場感等の次世代機的な楽しさはほぼないが、まあ楽しければ良し。
 
宇宙が舞台で、主人公が宇宙の危機を救う話。

リアリティがなく全く入っていけないシナリオ
 
シナリオは、かなり厳しい。
力は入ってるけど。

人物の心理描写は無茶もいいとこ。
例えば、何かに付けて仲間仲間と連呼するが、いつのまにそんな大層な関係になったんだ?という感じ。
仲間との信頼関係で感動させたかったのは解るが、エンターテイメントとして成立させるための肝心の過程の部分は小学生の人間観で以って描かれていて、説得力は皆無。
うそ臭い信頼関係しか描けていないのに、ものすごい輝かしい表情と壮大な音楽で仲間について迫真の演技で語りだす様は、ギャグ以外のなにものにもなっていない。

物語の語り手が最も大切にすべきなのは、登場人物の感情じゃなく、ましてや語り手本人の感情でもない。視聴者の感情だろ。
視聴者の感情を全く置き去りにして、登場人物の感情だけが盛り上がり、突然「僕は・・・、僕は・・・!」とか「ああああああ!」とか派手に苦悩し始めたり、突然狂ったように笑い出したり、抱き合ったり、泣き出したり、プレイヤー置いてけぼりの展開が延々続く。

人は現実の中で培われた人間観で以って物語中の人物の心理を読み取り、ドラマのエンターテイメント性はその上に成り立ってる。
だからどんな荒唐無稽な話であれ、エンターテイメント作品である限り「現実の人間の心」を無視することは出来ないと俺は思うんだが。
ゲーム中のセリフ全てが酷くリアリティに欠けていて、終始楽しめなかった。

やっぱりいい物語は、例え子供向けの物語であれ、人が描けてるよ。手塚治虫とか。
まあ、「大人も子供も楽しめる物語」を「いい物語」とするなら、だけど。
 
スーファミとかのような二頭身キャラとテキストで語る勧善懲悪のシナリオだったのならまだいい。
無思慮にちりばめた重い要素(人類の進化についての哲学や人の死や恋愛などなど)、写実的なモデリング、声優の迫真の演技のおかげで、シナリオの幼稚さが逆に余計強調されてる。
しかも無駄になげえ。
 
劇中で主人公が、敵に「どれだけおかしいこと言ってるのか解っているのか!?」と言うんだが、このシナリオ書いた人に対するオレの心の慟哭ズバリそのものでビックリした。

さすがにこのシナリオはスキップされるだろう、と思った人も内部にいたのか、イベントシーンを飛ばしても話の概要文をしっかり見せてくれる仕様になってるのが、唯一の救い。

無駄な爆発力のある女性キャラクター

女性キャラの電波ぶりも見応えがある。
感情の乗っていない口調でとにかく「~なのよ」「~なのよ」と連呼する顔の面積の半分が目で占められてる不思議少女。
純粋で元気な猫耳美少女を狙ったであろうキャラは、とにかく語尾に「ミャ」を入れれば萌えるだろうとでも思ってるかのように、最後をミャで締めくくるだけの中身のない会話をクドクド展開するだけの鬱陶しいヤツにしかなってない。
語尾を延ばして話すのが特徴の、場を和ませるマイペースなオトボケ眼鏡美少女な筈のキャラは、「ですー」「ですー」とうるさい単なるイラつくKY。
エキセントリックなギャグ担当の美少女は、こいつはただの馬鹿野郎。

世界のために倒さなきゃいけないのは、唐突に登場するラスボスじゃなくこいつらだろう。

しかし肝心の戦闘部分は「さすが」という感じ


まあシナリオはともかく、キャラクターの派手なアクションで魅せるお馴染みのリアルタイムバトルは、やっぱり面白い。
アクションのかっこよさはこのデザインでは肝だと思うけど、そこにはかなり気を使っていて、どの技もいちいち作りこまれてる印象で、いい仕事してる。かっこよくない技なんて一つとして無いと言ってもいい。
ボタン入力とキャラのアクションをリンクさせるためのエフェクトや、攻撃が当たった時の物理的な手ごたえを感じさせる演出、コントローラーの振動についても良く考えられていて、技を出すことそれ自体が爽快。さすがトライエース、アクションの楽しさについてのノウハウが感じられる。
簡単にかっこいいアクションを行えるけど、技によっては発動するタイミングを考えないとうまく繋がらなかったり(技を連続して繋げていくとダメージにボーナスがつく)、ただ単純にボタン連打していればいいというわけでもない、というのも好印象。
また、3にあった、敵の攻撃を見極めることでより優位に立てるシステムが4にもあるけど(サイトアウトというシステム)、ちょっと複雑な上に絵的に地味だった3のシステムに比べ、わかりやすくて絵的にもかなりかっこいいものになっていて効果的にアクションを盛り上げてる。
今回は、技を使い続けると熟練度が上がって性能がよくなっていくシステムが無く(技はポイントを振り分けてレベルをあげていく)、前作のように、アクション自体の面白さに加えてRPG的な成長する楽しさも使って戦闘を楽しませる形では無くなり、純粋にアクション的な面白さのみで勝負する形になったが、全く問題なく楽しい。
 
キャラクターのアクションも、キャラごとに個性があって、色んなキャラを操作したくなってくる。
キャラごとにひとつずつ、特定の種類のモンスターからのアイテム取得確率を上げるスキルがあるので、キャラを使い分けるメリットも生まれ、一人一人がたってる。
 
また、ストーリーが進むにつれ戦闘BGMが何度か変わるんだが、これに関連してスタオーファンには感涙の演出がある。実際俺は相当感動した。
 
こんな感じで、基本的にはすごく楽しめたんだが、それを邪魔する要素もある。まあ致命的なわけでもないけど。

戦闘について、不満だった点
 
まず、敵をターゲットする方法。
自分の一番近くに居て、なおかつ正面に捉えている敵じゃないとターゲットしてくれない。
基本的に、操作キャラは現在ターゲットしている敵しか攻撃できないし、サイトアウトもターゲットしている敵にのみ発動できる。
その上敵グループは数が結構多い場合がほとんど。倒す順番もそれなりに重要な場合もある。
そんな作りなのに中々ターゲットしたい敵をターゲットできないのは結構ストレスたまる。
あまり自由にターゲット変更できると、サイトアウトが極端に簡単になってしまうという意図があったのかもしれないが・・・。
 
ダンジョンの長さにも不満を感じた。
何度も同じ敵と戦わされると、いくら戦闘システムがよくてもさすがにダレてくる。元々敵の使い回しが多いだけに余計。
長く険しいハードルを乗り越える達成感を味わえるデザインを狙ったにしても、単に戦闘回数が増えてるだけじゃ不十分なように感じられた。
長さによって生まれるゲーム性は少なく、単にめんどうくささだけが目立つ。
プレイ時間を延ばしたかったのか、もしかしたら回復アイテム等の重要性を高めてアイテムクリエイションを引き立たせたかったのかもしれないが・・。
 
あとはボーナスボード。
特定の条件で敵を倒すと「経験値10%アップ」等のボーナスが付き、画面横のボード上にパネルとして溜まっていく、というシステム。
取得できるパネルの最大数は14個と枠が決められていて、このパネルは敵のクリティカル攻撃を受けると全て無くなってしまうんだが、同じ効果のパネルが隣接している部分の半分はそのまま残る、というシステム。
敵の攻撃をしっかり避けつつ、同じ種類のボーナスを意識して狙っていくと有利ですよ、というシステムで、確かにゲーム性が生まれてる。
ただ、全4種類のパネルのうち「SP1ポイント取得」を狙いだすと、戦闘が途端に爽快でなくなる。まあこのパネルを狙わなければいい話だが・・。
 
大技やサイトアウトを使うと他のパネルを取得してしまうので、戦闘は地味にこなすことになる上、他の3種類に比べるとパネルを集めるのがめんどくさく結構な数戦闘をこなさないといけないだけに、その地味な戦闘を長い間強いられる。
集めてからも、窮屈な戦闘が続く。
他のパネルは溜め直しが比較的簡単なので、心に余裕を持てるが、このパネルは再度あつめるのが面倒なので、過度に慎重になって自然とチキン戦法になってくる。
 
爽快なアクションにプレイヤーを誘導したいのか、ストイックな方向に誘導したいのかが曖昧で、オレとしてはちょっと戸惑った。
 
あと、これは正直大したことは無いけど、仲間の攻撃が派手過ぎて、画面上がカーニバル状態になっていて操作キャラの姿が確認出来なくなる事がある。
また、仲間の攻撃によって現在攻撃中の敵の位置がずれてしまって、気持ちよくコンボが出来ない場合も結構ある。
普通のアクションゲームにはない、パーティで戦闘するRPG故のちょっとした煩わしさ、みたいなもんがあるな。

第2の売り(?)アイテムクリエイションは・・
 
アイテムクリエイションは、快適にはなったがゲーム性は薄れてるように感じた。
パーティキャラを最大3人指定して、そのキャラの組み合わせで色々なアイテムを作る点は前作と同じだが、パーティキャラは8人なので組み合わせのパターンが少ない上、ある組み合わせで作れる可能性のあるアイテム全てが一度に自動的に生産されるので、プレイヤー毎の差があまり出ない作りになってる。
基本的にゲーム性は優劣で、優劣は差が生み出すものだと思うが、今回のアイテムクリエーションは「この強い武器は少数のプレイヤーしか発見できてないんじゃないか?おれすげえ!」とか思える余地があまり無く、「ま、多分他のプレイヤーも余裕でこの武器作ってるだろうな」というような、やりがいのないものに感じられた。
 
サクサクプレイできるようなデザインにしたのか、というとそうでもない。
 
簡単に作れるのはレシピのみで、実際にアイテムを完成させるには素材が必要なんだが、この素材アイテム集めが結構めんどくさいので積極的にアイテムクリエイションを活用しにくい。
ゲーム性は薄いのにめんどくさい、というデザインになってないか?

総評
 
さすがトライエース、戦闘はやっぱり楽しいんだが、それ以外の要素がどうもおざなりにされてる感がある。
色んな惑星の色んな場所を何度も訪れることを薦めてるようなデザインの割には、移動の利便性に気を使った様子もないし、後半になると別の惑星に移動する度にディスク交換しなくちゃいけなかったりするし。
他にも色々、細かい部分で地味に不満がたまる。
なによりシナリオが、オレ的には完全にボール球、というかデッドボールだった。まず一般受けしないような気がする。
 
というか、日本のゲームのシナリオのリアリティの無さは、もうほんとに、大人をゲームから遠ざけこそすれ、引き止める、または引き寄せる要因にはまずならない、と思う。
シナリオを前面に押し出すようなゲームなら、なおさらだよ。
「ゲームにシナリオなんていらない」とか「シナリオはあきらめてる」とか言わせちゃってて黙ってんのか!?

・・・取り乱しました(上島風に)。
 
ちなみに、メインストーリーは短め。でもまあ、今回もクリア後のおまけダンジョンには異常に力が入ってるようで、トータルで見れば結構な時間たのしめると思う。
 
様々な部分に改良の余地がありそうな気がするが、でもやっぱり戦闘は普通に楽しい。
 
 
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レビュアー : 

好きなジャンル : RPG、ACT

点数は完全に自分の主観です。
あと趣味が偏ってます。

2009年02月27日 09:20 1.  靴 さん
参考にならなかった

何点か気になったのでコメントしたいと思います。

私は今回のレビューを見させていただいたのですが、白さんのレビューを見るとどうしても手に取ってやってみようという気が全く起きませんでした。

初めに言いたいのはなぜ、グラフィックや背景の良さに全く触れないのでしょうか?やはり手にとってやってみようと思う人はグラフィックから入ると思います。

次世代機のRPGならなおさら、グラフィックには力を入れてる部分だろうし大切だと思うのですが。

後、ここはレビューサイトですよね?人に勧めない前提でレビューをするなら日記帳などで好きなことを書いていけばいいです。
しかし、ここは何百、何千人もの人がゲームの購入に参考にする場所だと思ってます。

それはつまりソフトの魅力を最大限に良くも悪くも伝えることではないでしょうか?

2009年02月27日 09:21 2.  靴 さん
参考にならなかった

連投です

>派手に苦悩し始めたり、突然狂ったように笑い出したり、抱き合ったり、泣き出したり、唖然とするようなサムい展開が延々続く

それをこういったように書かれたり、RPGの核であるシナリオに対して

>このシナリオはオレ的には刑法に触れてる。

等と言ったらこのソフトを手にしてやりたいとは思えないんじゃないでしょうか?

自分はこんな頭から否定された文章を目にしたら手に取ろうとする気持ちが完全に萎えます。

人のレビューを参考にして買う人もいるのですから(一個人の意見だけで決めるのは愚かだが)そういった部分をちゃんと理解せずに感情むきだしのレビューをするのはどうかと思います。

やはりどんなゲームでも、人に取ってやってもらおうという気持ちが大切なんじゃないでしょうか?

今回のレビューはそれが一切なかったんじゃないかと感じました。 以上です

2009年02月28日 10:57 3.  白 さん

おれは、レビューは、単に自分の意見をいうだけじゃなく、人は主観でしかものを見れないって前提の上で、もののいい点と悪い点をなるだけ客観的に伝えて、その上で自分の意見を言うものだと勝手に思ってるけど。
で、その意見は、別に肯定的なものに限ることはないんじゃ?
広告とは違うんだし、批評はイヤなものはイヤと言ってしまってもいい場だと今んとこ勝手に思ってるけど(別にこのゲームがイヤなものだと言ってるわけじゃなく)。

レビューに感情が入ることは駄目とは思わないけど、でもまあ、負の感情は見ていて気持ちのいいもんじゃないよな・・。
オレもシナリオは核だと思ってるので、ちょっとストレスが溜まってつい・・。
いやーでも、ゲームに対しては一切悪意は無かった。作った人に悪意はあったが。
失礼しやした。

2009年02月28日 11:05 4.  白 さん

グラフィックについてだけど、直前にやった360のゲームがフォールアウト3だったからってのもあるw

もっといえば、一部の日本のゲームや多くの海外ゲームは、グラフィックの綺麗さだけじゃなく、グラフィックの使い方も次世代機らしい使い方されていて、そういうのが好きだからってのもある。

携帯機流行ってんのを見ても、あんまり求められてないのかなーとも思えたし、まあさんざん露出してるし、いいかな、と。
悪意はない。

2009年03月08日 14:54 5.  てすと さん

ごもっともだと思います。
プレイしていて良くないと思ったところを誤魔化したり、嘘をつかれては参考になりません。
俺は今回の記事を読んで、ちゃんとプレイしてるからこそ出てくる批評だなと感じました、当たり前ですが。
今後も素直に感じたところを書いていって欲しいです。

2009年03月24日 11:24 6.  ふくふく さん
参考になった

初コメントです。

どんなに酷評であっても、そのタイトルのファンであれば、信じてプレイすれば良いのでは?
評価なんて、個人の主観でしかないんだから。
ここのレビューはちゃんと見て遊んでることが良くわかるから、参考にしています。

自分では、今回のこのタイトルのグラフィックは糞だと思ってます。キャラが人形みたいでキモイです。アニメムービーだったら、よかったのにね。

評価:

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